卒 業 研 究

電子通信工学科 生体システム工学研究室
【 指導教職員 】 石島正之, 島谷祐一, 京相雅樹
【 研究概要 】
 自動診断心電計や高速CT画像装置など、高機能ME機器の恩恵により今日の医療はめざましい進歩を遂げているが、その基盤は医学と電子工学と情報工学の境界領域(biomedical engineering)の研究開発にある。この研究室ではアナログとディジタル、それらを有機的に結合するハイブリッド技術を医学の領域に適用し、診断・検査・治療・福祉そして生命に関する諸問題を電子工学的に解決する世界最先端の技術を開発している。
 早期発見は疾病を(ガンでさえ)完治させる確率を高めることから、日々健康を精密に計測する技術を開発している。さらには、これらの無意識的計測から得られた大量の生体信号を情報処理することで、日和見感染予測の可能が生まれている。また、現代疾病の元凶ともなる精神的ストレスの計測と緩和など、これからの医療も視野に入れた研究を行っている。
 これらの先端境界領域を研究するためには、脳や神経線維の精度高いハイブリッド伝達方式、心臓の巧妙なメカトロニクス機構、工業用センサーより柔軟な五感受容器の特性など、電子工学に関連した医学の基礎知識をまず修得することになる。
【 卒業研究課題 】
● 負荷/無負荷心電図の無意識的なリモートセンシング
● 長期間生体情報の時間医学的データマイニング
● 心電/呼吸帰還制御による運動負荷試験の最適化
● 筋電情報と神経回路網によるシステム入出力の制御
● 可聴音の高周波変調と感覚受容器の特性解析
● 生体固有情報の特徴解析と個人識別(ID)
● 視覚/聴覚刺激による情緒の安定とストレスの低減
● 視覚/聴覚変調による平衡感覚能とホメオステイシス
● 生体画像情報による組織(爪)のミクロ成長過程の抽出
● 複合エネルギーによるバイタルサインの抽出と解析
● 生理学的情報の無電源テレメータリング
● 変調超音波と植物細胞の選択的成長促進の制御
● 交感・副交感神経活動の変動過程解析と近未来予測
● 体動と心拍の精密計測による身体活動の同定
● MRI医用画像処理にもとづく疾患部位の定量化
● 筋電脊髄反射による神経/筋肉系の機能診断
● 精神(脳)や肉体(筋肉)の疲労の客観的な数値化
● 平滑筋(胃、腸)からの生体電位の活動解析
【 研究室の特色 】
 近年この研究室は、医学系大学などから生体医工学専門の先生方を招き、「生体システム工学」研究室として新しい展開が始まった。研究は他大学の医学部やME関連の企業と共同で行うなど、研究活動環境と研究テーマには幅広い選択肢があり、「楽しくなければ卒研ではない」が目標の一つである。ただし「楽しむ」ためには、電磁気学、電気/電子回路、情報処理、電子計測など電子・情報通信工学の基礎を確実にしておくことが不可欠である。
 研究過程では企業研究所でも専門に使用されている高級科学計算言語IGORを使用する。この言語はA/D変換からデータ解析、複雑な3Dグラフの表示まで、すなわちデータの取り込みから卒研発表まで、すべての工程に必須である。この言語は年度初めに少人数セミナー形式で基本から学ぶ。
 英文字を見ると眠くなる重傷の条件反射はこの研究室で治療する。多少コマンドの数は多いが、英語は世界共通の計算機言語と同等である。多くの卒研生は大学院を第一志望とするうえで、その進級には英語修得が不可欠である。秋には人里離れて、携帯の届かないところ(?)で地獄の特訓となる卒研中間発表会を行う。

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