卒 業 研 究

その他・教育研究施設 一般物理研究室
【 指導教職員 】 中村正人
【 研究概要 】
科学史・科学哲学を研究する村上陽一郎は次のような内容を述べている:現在の科学研究とは,社会に認められた科学者と呼ばれる人々が同業者集団に評価される研究を行うことであると言える。もちろんそれは社会からも価値を認められ,研究者養成・研究に資金援助がされる。つまり科学研究も社会制度の中で行われている。このスタイルは19世紀半ばに始まった。だから例えばガリレオにしてもニュートンにしても現在の科学者集団の「祖先」ではない。彼らを「祖先」としたのは,当時の新興科学者集団が社会的に認められるための方法であった。思想的基盤も異なる人々,その研究成果を自分たちの思想に基づき説明した。それが現在の我々の「常識」となった。宗教と科学の闘争という図式もそうである。
 一方,現在の科学史研究・科学哲学等の成果に我々が接する機会はほとんどない。そこでこれらの成果に触れながら,時代,社会,文化の中で知らず知らずのうちに制約を受けながら研究した人間の主として物理研究をたどる。そしてそれを「ここで」「今」無意識的に制約を受けている自分を考える鏡,あるいはまた自分の抱く問題を展開する切り口を見つける参考としたい。
【 卒業研究課題 】
学生の興味・問題意識に基づき相談して課題を決める。私としては
・ ニュートンとゲーテの光学,ゲーテの自然科学方法論
・ エネルギー保存則と時代背景,問題意識
等があるが,20世紀の思想と相対論,量子力学についても考えたいことがある。

【 研究室の特色 】
・学会等で発表するような新しい成果というものは出しにくい。それを目指すのではなく,学ばなかった時と比べて,例えば運動方程式にでも,その人なりの,どこかニュアンスが異なった接し方ができるようになることを目標とする。
・自己の立場を相対化する思想に触れることを嫌がらないように,お互いがいつの日かなれることを目標に活動する。
・話しながら進める。問題意識の発展に従い,路線変更も厭わないようにする。
・研究課題や自分の関心を生かして,夏の科学体験教室に参加する。

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