卒 業 研 究

その他・教育研究施設 理論物理研究室
【 指導教職員 】 長田剛
【 研究概要 】
 素粒子論・原子核理論の研究を行っています。「我々の宇宙はビッグバンと呼ばれる、“火の玉”の急激な膨張から始まり、約140億年の時を経て現在の宇宙の姿となった。」このビッグバン理論を支持する実験や観測が現在積み上げられつつあります。仮にこの理論が正しいとすると、初期の宇宙は非常に高温・高密度であり、そしてその膨張とともに宇宙全体は冷却し、物質(素粒子)や力(相互作用)が分岐しつつ階層化して、我々をとり囲む現在の多様な自然界が生まれたと考えられます。宇宙の初期において、素粒子やその相互作用がどのように分岐・階層化してきたのか、それを理論的に探ることが、理論物理研究室の研究の大目標です。
 このテーマに対して実験的な面からは、大規模な加速器を用いた相対論的高エネルギー原子核・原子核衝突の実験が現在行われています。その反応では宇宙開闢から約100万分の1秒後に存在したと考えられる素粒子(クォークやグルオン)のプラズマ状態(ビックバンをもじって“リトルバン”とも呼ばれます)が生成されているかもしれません。

 そこで、理論物理研究室の現在の具体的な研究テーマは、このリトルバンでクォークとグルオンのプラズマ状態が実際に生成されたという確証を、実験データから見つける為に必要な理論の研究を行っています。また、このテーマの他にも、素粒子の多重発生機構や一般化統計力学の理論的枠組みを相対論的流体力学へ拡張する研究なども行っています。
【 卒業研究課題 】
 いきなり最先端の物理学の研究をテーマにすることはさすがに無理です。そこで,理論物理研究室は、「素粒子・原子核理論」の物理にこだわりません(もちろん、素粒子や宇宙の物理を勉強したい人に対しては、適当なテーマを考えます)。
 そこで研究テーマは基本的に、興味ある物理現象ならば、どの様なテーマでも積極的に取り上げるつもりです。

 “身近な現象だけどよく理解できてないこと”や“単純そうに見えても、いざ説明しようとするとなかなか説明が困難な現象”というものは、探してみれば結構あるものです。そして、その様な『素朴な疑問』の中でも、特に1年間徹底的に教員とともに(主に理論面から、もし可能なら実験的にも)研究できるテーマを学生とともに見つけていきたいと考えています。
【 研究室の特色 】
 ガリレオが「宇宙という書物は数学の言葉で書かれている」と述べたように、物理現象を理解するには数学の力が必要となります。理論物理研究室は、物理や数学が大好きで得意な人に向いていると思います。しかし言葉(数学)の問題は、素粒子や宇宙、この自然界の法則を理解したいという熱意で必ず乗り越えることができます。大事なのは、アインシュタインが言ったように、自然法則に対して疑問を抱き続けること、好奇心を持ち続けることだと思います。

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